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仔猫と狼
第9章 秘密
「最初、収録スタジオに入った時、すっごい可愛い子がいる!っとか思っててね。仲良くなりたいなってみてたら、ずっと鳥居さんのこと見てるじゃない。少しは私も見て欲しいなって鳥居さんにちょっかいだしたら案の定可愛い顔で戸惑ってるし、もうなんなの!ってなってね!」
高瀬ちゃんは夢中で片岡ちゃんに語っているが、彼女の耳には届いていないようだ。
僕は、気が付いていた。
最初っからってわけじゃないけど。
高瀬ちゃんの発言と行動から、途中から気が付いた。
あぁ、彼女は女の子が好きなんだなって。
さすがに、今日告白するとは思わなかったけど。
「高瀬ちゃん、片岡ちゃん混乱してるみたいだし。今日はおひらきにしようか。」
僕の、その一言でその日は解散した。
帰り際に、高瀬ちゃんは片岡さんの頬にキスをし、彼女はそれにすら気がつかない様子で帰って行った。
鳥居くんに迎えに来るようメールしたし、大丈夫だろう。
送るって言ったのに、なんでだって鳥居君に怒られたけど。
まあ、いいや!
面白かったから。
ちなみに、僕が全部おごったよ。
こう見えても、一番年上で、一番の芸歴の持ち主で、一番売れてるからね!