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仔猫と狼
第11章 知りたくない
俺は、タバコとタバコのライター、携帯を掴み玄関に向かった。
片岡を家まで送ったら一服して落ち着こう…。
後ろから片岡が付いてきてる気配がすることを確認して、俺はマンションの部屋から出た。
そのあとにちょこちょこと片岡が付いてくる。
…だから、なんでかわいく見えてるみたいな思考になってんだよ…。
「…。」
「…。」
「はぁ…。」
片岡に聞こえないように小さくため息を吐いた。
そのままエレベーターに向かっていると、後ろから片岡が付いてくる気配がしないことに気がついた。。
振り返ると片岡が扉の前で自分のカバンの中から鍵を出していた。
「あー…。ほっといていいぞ。」
「え、でも…。」
「このマンションオートロックだから。」
「あ…。そうなんですね。余計なことしてすみませんでした。」
「あ…いや…。」
「…。」
なんでいつもこいつは自分が悪いような反応をするんだ。
今のはどう考えても言わなかった俺が悪かったのに…。
「…。」
どうにもこいつといると自分が悪いことをしてる気持ちにさせられる…。
居心地が悪い。
…不愉快…
では…ないんだよな…。
チン
上がってきたエレベーターに俺と片岡は乗り込んだ。