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~大人のための官能童話集~
第2章 一幕‥赤ずきんちゃん◆
 

「……行ってきます」


こうしている今も二人の間に割って入りたいぐらいだが、仕事を休む訳にもいかない。

何より母親にはこう言い含められていた。


『父さんのことは私に任せて。ニーナは気にしなくていいから』


何かしら問えば、決まって母からのセリフはそうとしか返ってこなくて。

結局ニーナは何も言い返せず、黙って仕事に向かう以外に方法が無かった。




――だが、ニーナは知らなかった。

最近母親の帰りが遅い理由を。






 ◆ ◆ ◆


「あぁっ……むぐっ……ふ、む…んう」


ベッドをギシギシと軋ませながら、肌を打ち付ける音が絶えず響き渡る。

太陽が隠れ、月が顔を出す頃合い。

漆黒の闇に包まれる街の一角で、裏取引に特化した宿にニーナの母親は居た。

数人の男どもに蹂躙され、口内にはいきり勃った男根を咥えさせられながら……。

 
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