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~大人のための官能童話集~
第3章 二幕‥赤ずきんちゃん
しかし、少しばかり不思議なことに。
「いい? この手紙はおばあ様の家に着くまで絶対に見てはダメ。必ず、おばあ様に直接手渡すのよ」
……と、手紙は念を押して託された。
何故そんなにも厳重に注意しなければいけないのかと、些かニーナは気になったが。
「……分かったわ」
母なりの何か事情があるのだろうと思い、首を縦に振って頷いた。
「頼んだわよ、ニーナ」
明日は母がニーナの仕事先に休むと伝えておくから、そのまま祖母の家に泊まるようにと告げられ。
ボヤボヤしていたら日が暮れるからと、背中を押されるようにして玄関から送り出された。
「――それじゃ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
にっこりと微笑む母の姿を最後に、ニーナは村の中を歩き出す。
その道中では村人の何人かに話しかけられた。
「あら、これからどこかへお出掛けかい? 赤ずきんちゃん」
「えぇ、母に頼まれて森の奥にある祖母の家へ」