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~大人のための官能童話集~
第3章 二幕‥赤ずきんちゃん
バンッ!!
蹴り破られる扉。
続いてドタドタと乱暴な足取りで三人の男達が家の中へと踏み込んでくる。
そのままリビングへと真っ先に向かってきた男達は、すぐさま母親の姿を見つけた。
「ハッ……なんだ、いるんじゃねえか」
「…………」
目を閉じていた母親はゆっくりと瞼を開く。
眼前には相変わらず下卑た笑いを浮かべる男達が、自分を蔑むように見下ろしていた。
「その様子だと、覚悟は出来ているみたいだな?」
「ええ……夫も私も、逃げるつもりはありません。煮るなり焼くなり、好きにして下さって構いません」
とは言いつつも、夫はこの状況を知らない。
私とは違って、こんな展開など望んではいないのかもしれない。
――だが、彼女ももう……限界だった。
(……全てに疲れた)
精魂尽き果て、己の身も心もボロボロだった。
今日ここでもし死ぬことになったとしても、それは致し方無い。
唯一の心残りと言えば娘のことだけだが……こうなってしまった以上、無事を祈るばかりだ。