この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
~大人のための官能童話集~
第3章 二幕‥赤ずきんちゃん
 

「なっ……」


窓から差し込む陽の下。

現れた青年の姿に、男達だけでなくその場に居合わせた全員が息を呑む。

頭に生えた獣の耳に、背中からは逆立った尾が警戒心を露に揺れるその姿。

赤く血に濡れたようなルビーの瞳は、異様な光を放ちながら男達を睨み付けていた。


(な、何故……村のふもとに)


見覚えのあるその姿を目で捉え、驚きに母親は目を見開く。

村では“化け物”として恐れられる存在。

その姿を母親が見たのはニーナが森に迷いこんでしまった、遠い過去のあの一度だけ。

後に何度かニーナが森に行こうとした時もあったが、母親は頑なに娘の行動を阻んだ。

結果。

歳を重ねるにつれて……ニーナは森へ行くのを諦め、きっと今では幼い頃の記憶など忘れてしまっていることだろう。

それが何故かは分からないが、ここに彼は現れ……どうやら自分達を助けようとしてくれている。


(一体……どうして……)

「ば、ば、化け物だ…!!」


予想していなかった者の登場に男達は情けないほど脅え、異形の姿にガタガタと震え出す。


「……あの子を……ニーナの家族を傷つける奴は許さない」


青年の口から押し殺した声が漏れる。

――その時点で、勝敗は既に目に見えていた。

 
/69ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ