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~大人のための官能童話集~
第4章 三幕‥赤ずきんちゃん◆
 

「動けないだろ?」

「……っ!」


がたいの良い男の一人がニーナの顎を引き寄せ、くつりと嗜虐的な笑みを浮かべる。

更にその男の口から、信じられないことを告げられた。


「そりゃ、そうさ。さっき嗅がせたのはそういう類いの“クスリ”だからな?」

「くす…り…?」

「あぁ……ついでに、男に犯されたくて堪らなくなるはずだ」

「!?」


ニタリと、男が笑う。

その笑みや言葉が持つ意味を理解して、サーと全身から血の気が引くようだったが。

ニーナの体に異変が起こる。


「! な、なに……体が……っ」

「ククッ……ほーら、体が火照ってきただろ?」


男の嘲笑が耳元に吹き込まれ、ニーナの吐息が徐々に荒くなる。

それに伴うように全身の熱も急速に高まり、特に下半身が熱っぽい感覚が強かった。


「……効いてきたみたいだな。しかし、可哀想に。母親は心配してここまでアンタを逃がしたんだろうにな」

(逃がした……?)


白む頭を無理やり動かし、男の言葉を聞き逃さないようにとニーナは耳を傾ける。

 
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