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~大人のための官能童話集~
第4章 三幕‥赤ずきんちゃん◆
“逃がした”とは。
一体どういうことなのか。
母親の話ではニーナの祖母となるおばあ様が森奥の小屋に居るはずで、お使いとして自分はここまでやって来たのだ。
……だが、おばあ様の姿どころか、この場所でニーナを待ち受けていたのは屈強な男三人。
その内の一人は、娘であるニーナを母はここまで逃がしたと言う。
「あぁそうか、赤ずきんちゃんは知らなかったんだったな。こんな森の奥に母親から送り出された本当の理由」
『ほら、コレだ』
そう言って、目の前の男は懐からある物を取り出した。
「それは……っ!」
ニーナの前に翳された“ある物”
それは、必ずおばあ様の家に着いてから渡すようにと託された、母からの手紙だった。
しかしよく見てみると、おばあ様の名前があるはずの表面には何故かニーナの名前が記されている。
「この手紙を託した上で俺達からアンタをここに隠そうとしたんだろうが……残念だったな」
全く動けないニーナを男達は嘲笑い。
次いで男は手紙の中身をかいつまんでニーナに教えてやった。