この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
~大人のための官能童話集~
第4章 三幕‥赤ずきんちゃん◆
どうりで、この頃は仕事からの帰宅にしては母の帰りが遅いと思っていたのだ。
そんな娘の知らぬ裏側で、母は人知れず苦汁を舐めていたと言うのだから……今さら後悔したところで全ては遅いのだが。
愛する母のことを思うと、複雑な感情にニーナは胸を痛めていた。
「ショックで声も出ねえってか?」
「……みたいだな。なぁ、さっさと犯っちまおうぜ」
「そうだな。大人しくなっている今の方が、面倒は少ないだろ」
ベッドに茫然と横たわるニーナの周囲で、男達は目前にある若い娘の裸体を舌舐めずりするように眺めながら。
不穏なやり取りを交わしている。
(わたし……このまま、見知らぬ男に犯されちゃうのかしら)
自分のことだというのに、まるで他人事のように実感が無い。
どちらにせよ、男達の手によって盛られた薬のせいでまともに動くことさえ不可能なのだ。
(もう……どうでもいい)
自分を逃がす直前にあんな手紙を寄越した母。
もしかすると、今この瞬間に父と母は――――
そう考えたニーナは突然真っ暗闇に堕とされた悲観から、生きる気力も何もかも投げやりになってしまっていた。
それを良いことに、男達はニーナの至る肌に再び手を這わせてくる。