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~大人のための官能童話集~
第1章 序幕‥赤ずきんちゃん
「ご、ごめんなさい…っ!」
慌てて起き上がり、彼の上から地面へ降り立つ。
「あなたは大丈夫?」
「ん? あぁ、俺は平気だ」
ニーナが退くと同時に目の前の彼もむくりと起き上がる。
改めて向き合ってみれば、頭一個分は彼の方が大きい。
そしてさっきから気になって仕方ない、ふさふさの耳……。
(ううん。まずはお礼をするのが礼儀だわ)
「あ、あの……助けてくれてありがとう」
「あぁ……いや、」
髪についた枯れ葉を払うように、首を左右に振る少年。
その頭の上ではピクピクと耳が揺れ動く。
小動物のような愛らしさを漂わせる動きに、ニーナはついジッと見つめてしまう。
「……これが、気になるのか?」
「! う、うん……」
あからさまなニーナの視線に少年が気付かない筈が無く、己の耳を指で指し示した。