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~大人のための官能童話集~
第4章 三幕‥赤ずきんちゃん◆
ドンッ! ドンッ!
鈍い物音が突如として割って入り、皆動きを止める。
当然ながらこの場にいる誰もが異変に気づき、音がした方向へ顔を上げる。
どうやらこの不可思議な音は扉から聞こえてくるらしく、まるで何者かが体当たりでもしているかのような衝撃音であった。
「お、おい……誰か様子を見てこいよ」
リーダー格と思しき男が、ただ事じゃないと判断したらしく。
下ろしたばかりのズボンと下着を再び腰に履き直しながら、残りの二人に命令する。
「なっ……なんで俺達が行かなきゃいけないんだよ。この件を任されたのはてめぇだろ?」
「そうだ。ここは――」
などと、互いに責任を押しつけ合い、三人が顔を見合わせた瞬間。
ドンッ! バタンッ!
振動していた扉が衝撃に耐えきれず枠組みから外れ、床に倒れる。
その弾みで塵積もった埃が舞い上がり、煙のようにそこかしこに広がった。
空気が濁り、見えづらくなった煙の向こう側。
そこへゆっくりと現れる、何者かの人影。
「ご、ゴホッ……て、てめえ……何モンだ?!」
煙に噎(む)せながらも、リーダー格の男が威勢よく声を張り上げる。