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~大人のための官能童話集~
第4章 三幕‥赤ずきんちゃん◆
「…………」
人影らしき者は何も答えない。
しかし、皆が瞬きをした次の瞬間。
「――…ぐはぁっ!」
「お、おい?! どうし――――うぐ…っ!」
リーダー格の男を抜いた他二人が次々と呻き声を上げ、ベッドから壁へと吹っ飛ぶ。
そのままズルズルと壁際にうずくまり、気を失った二人は床に倒れ付した。
「な……な、んなんだ。一体何が――――…っ!」
「ニーナを傷つけた奴は、許さない」
いつの間に背後へと回ったのか。
混乱する男の後ろから、底冷えするような低音の囁きが耳元へ吹き込まれた。
「ま、待ってくれ…! 俺達はまだ何も」
「黙れ」
「ゔ……っ! あ――」
ドサッ!
最後の一人だったリーダー格の男も、ゴッ!という鈍い音と共にニーナの目の前から消え失せ、床板へとうつ伏せに転がる。
途端にしん、と静まり返る場の空気。
未だ煙がかった視界の中、人影がニーナの元へと歩み寄ってきた。