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~大人のための官能童話集~
第4章 三幕‥赤ずきんちゃん◆
 

「ニーナを忘れようとしても、俺はどうしても忘れられなかった。だから年に一度だけ、森を下りてお前の様子を見に来ていた」

「え…?」


もちろん、村人やお前には見つからない範囲で。

更にそう付け加えて、寂しそうな複雑な微笑を浮かべシルヴァはニーナを見つめる。


「今日も一目見れば、すぐに森に引き返すつもりだった。けれど、ニーナの姿が見えなくて――」


そこでニーナの両親が屈強な男共に囲まれているのを目撃して、助けたのだと言う。


「! じゃあ、お父さんとお母さんは無事なのね!」

「ああ、それについては恐らく問題ないだろう。それよりも」


穏やかだったシルヴァの表情が一変して、冷ややかな眼差しで未だ気絶している男達へとちらと目をやる。


「ニーナの方は一体何があった? どうやらまともに動けないようだし……服は奴等に脱がされたのか」

「え……あっ」


シルヴァからそう言われて、ニーナはようやく自分の裸を晒していることを思い出す。

途端に恥辱が沸き上がり、ニーナの頬が赤らむ。


「えっと……その、私もよく覚えてないんだけど。ここへ訪れた時に男達から何かの薬を嗅がされて……」

「…………」


シルヴァの全身の毛が怒りで逆立つ。

 
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