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~大人のための官能童話集~
第5章 四幕‥赤ずきんちゃん◆
 

「んっ……ひぁん」


唇の横をペロリと軽く舐めあげられただけ。

それだけなのに、シルヴァの一挙一動にニーナはゾクリと身を震わせながら敏感に反応してしまう。

でも、まだ満たされない。

こんなものでは足りない、と。

淫らな欲求が次から次へとニーナの内から溢れてくる。


「はぁ……あっ、シルヴァ……」


熱くてアツくて堪らない、自分の体が煩わしい。

一刻も早くこの熱を、鎮めて欲しい。

だからつい無意識に、目の前にいるシルヴァにニーナはすがってしまう。


「……っ」


甘ったるい声で名を呼ばれ、内心シルヴァの理性はぐらついていた。

それでなくても、並々ならぬニーナへの想いを自覚したばかりなのだ。

本音を言えば、理性などかなぐり捨てて彼女の全てを貪ってしまいたかった。


(いや、でもそれはダメだ。ニーナは薬で無理やり快楽を引き出されているだけなのだから……)


頭の中で自分自身に言い聞かせる。

この行為はあくまでも、ニーナを楽にしてやるため。

もしも己の理性だけで突っ走ってしまったら、もとも子もない。


(だからこそ、せめて傷つけないように。精一杯優しく……)

 
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