この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
バックヤードの誘惑
第3章 だって・・
なんとかしがみついていた段ボール箱から
ズルズルと体がなだれ落ちていく。
もう足に力が入らない。
快感の余韻は
体から力という力を奪ってしまった。
床にへたれこんだ美佐江の肩を
和樹はしっかりと抱きとめた。
美佐江は上半身を和樹の胸に預けてなんとか体を支えていられた。
それにしても・・
くやしいほどこの男に慰められた。
指も舌も、そして彼自身も・・
どれをとっても好みの動きをする・・
無理やりでなければどんなに楽しめたか・・
そう思うと涙がでそうだった。
「ごめんね・・もっとムードたっぷりに誘えばよかったね・・
だけどこのほうが燃えると思ってさ。
吉沢さんも・・体、拒んでなかったもんね・・」
言い返せないのは彼の言うとおりだったから。
表向きは必死に抵抗する哀れな獲物、を演じていたが
快感をもたらされると体は正直に反応した・・
「もしかして吉沢さん・・久しぶり?」
その言い方のいやらしさといったらなかった。
夫がいるのに体はご無沙汰、なんて憐れまれた上に
実際久しぶりの水を与えられた。
それに反応したこの体が恥ずかしかった。
「もう1年近く・・無くて・・」
美佐江はすっかり開き直った。
もうどうにでもなれ・・
和樹と体をつなげた事実は消すことはできないのだからと
じたばたするのを止めた。
「そんなに?それじゃあ仕方ないよ。そっか・・
だから吉沢さんの眼が訴えていたんだ」
さっきから散々言われている、そそる眼・・
いったいどんな眼だからそそるんだ?
美佐江は思い切って聞いてみた。
「あたし・・どんな眼をしてるんですか?」
せつなそうに眉間を寄せたその顔に、
和樹は再び下半身を熱くした。
「なんていうのかな・・男はすきなんだよねぇ、
そのキッとした眼の中に弱さを感じるっていうの。
その辺のかわい子ちゃんはいかにもって目つきで
男に媚びるだろ?マヌケにキョロキョロさせてさぁ、
あたしなんにもできないのぉみたいに男によっかかるだろ?
そんなのよりも気の強そうな女が喘ぎ欲しがる姿のほうが
こっちも燃えるし達成感味わえるんだよねぇ」