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バックヤードの誘惑
第2章 反応してしまった・・



デパートにはもちろんある。

バックヤード。

商品をストックしておく場所だ。

そのスペースは、ギッチリ商品を置かなければならないから

通路の幅は狭い。

幾重もの棚の間をぬう様にして歩かなければならない所もある。

誰にも見えない死角もある。

和樹の言葉で思い出した。



そういえばバックヤードの死角で

キスしているやつらを見たっけ・・

小さく笑いながら乳房をもまれているところも・・



「まぁ・・そう思う人もいたみたいですけど・・

 でもどうして急にそんなこと・・」


泳いでいた視線を和樹に向けた瞬間、

美佐江の体は硬直した。

彼の瞳の奥底に、

危険なものを感じたからだ。



いつもの温和さとは程遠い・・

するどくとがった眼。

その眼から逃れようと後ずさりする美佐江の腕を

和樹ががっしりとつかんだ。

そして足がもつれてうまく歩けない美佐江を

小さなバックヤードへと引っ張っていく。

ちょうど体の幅しかないくらいの狭い通路の

突き当りに積んである2つの段ボール箱。

追い詰めるようにして美佐江の体を押しつけた。

もう逃げ場はどこにもない。


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