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若社長と秘書子の攻防
第1章 ファーストラウンド
3年前、前社長が倒れられ、跡継ぎの加賀美理人が社長に就任し、その社長付きの秘書に企画部の私が指名されたのだから、そりゃあもう社内は騒然だ。
秘書検定2級の資格は持ってはいましたが、会社というのは資格よりも実績だ。
実績がない私が、社内でも優良株の若社長に指名されたのは、コネがあるんじゃないかと噂され、社長を狙っていた女子社員からやっかみを受け。
……と、そんなことはどうでもいい。
2年間も同じ会社にいて無視し続けたくせに、なんで今さら私に構うのでしょう?
3年間も傍に仕えて一度たりとも昔の話をしなかったのに、今朝のあれはなんなのですか?
『新居はすでに決めてある』
『挙式は新規オープンする式場で』
『夫婦の営みとして性交渉は週6回以上』
本日の早朝会議で使う資料を配り終えた私に、のうのうとのたまいやがりましたよ、あのバカ社長は!!
『よろしいですか?』じゃないですよっ! どこをどう解釈すれば、よろしいとなるというのでしょう!?
大体、お付き合いもなにもしてないというのに。
これはあれでしょうか?
社長が推進してる、新手の嫌がらせかなにかですか?
冷酷な殺人光線に怯えもせず、顔色一つ変えない私がそこまでお嫌なら、ご自分の秘書から外せばいいのに。
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