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若社長と秘書子の攻防
第1章 ファーストラウンド
夏祭りにやって来たはいいが、あの性格の先生とこの性格の私の間に会話が弾むはずもなく。
年の差だって5歳はありますから、ジェネレーションギャップだってあります。
どういうつもりで私を連れてきたのかとチラリと先生を盗み見ると……あれ? いつもよりワクワクした顔してません?
「……先生? 遊びたいなら遠慮なく遊んでくださいね」
「僕が? 遊ぶ……?」
ズドン。私の脳天に光線直撃。
「あ、いえ……せっかくですし、何かしたいかな、と」
光線に免疫がまだそれほど備わってなかった私は、視線を泳がせながらも震えそうになる声で言葉を紡ぐ。
いちいち心臓に悪いのよ、あなたは。
心の中で悪態をついていると、早速手近にあったゴムボール掬いをしだした。
ってやるんじゃないですか! だったらむやみやたらと光線出さないでくださいってんです!
その後も何だかんだと私より楽しむ先生。私は夏祭りより無表情で手当たり次第屋台に入りまくり、その都度屋台のおじ様を恐がらせたり、他の客を遠巻きにさせたりする先生の観察を楽しんだ。
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