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若社長と秘書子の攻防
第1章 ファーストラウンド
「あの! でも! あれは……朝の会議室でのことはなんなんですか? というか社長は私のことどう思ってるんですか?」
打ち上がり続ける花火そっちのけにもなりますよ。社長の気持ちを聞けるチャンスなんて、二度と来ないかもしれませんし。
私はほぼ勢いだけで尋ねた。
「あれはキミへのお仕置きだ」
「お仕置き……?」
不穏な響きは殺人光線より威力があり、私の心臓をも不穏な音を奏でる。
「僕は感情を表に出すのが苦手だ。でもキミだけは昔も今もよく察してくれてた。だから秘書課の、それも社長専属に配属したとき、僕の気持ちを察してくれるものだとばかり思ってたんだがな」
「は……?」
「ここまで言っても通じないのか? つまりキミを好きだと言ってるんだが?」
ドーン。花火と一緒に私の中の何かが弾けた。
社長が私をなんですって?
冷血漢でもお綺麗な顔と社長職で、狙う者が数知れずの加賀美理人が?
地味で鉄扉面で抉れ胸の私を好き……ですって!?
リアリティ無さすぎじゃありませんか……?
開いた口が塞がらないを体現してしまってる私を社長は抱えるよう立ち上がらせ、エレベーターまで引っ張って行った。
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