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若社長と秘書子の攻防
第1章 ファーストラウンド
まだ花火は打ち上がり続けていて誰も降りる者がいないエレベーターに私を押し込めると、社長は壁際に追い詰めた。
「お仕置きの続きは僕の家でするとしようか?」
「えっ……? まっ、待って下さい! ですからお仕置きって……んっ!」
疑問を投げる私に、さっきとは比べ物にならない濃厚なキスが降ってくる。
唇を強引に割って入った熱い舌が、逃げる私の舌を絡めとり。
歯列をなぞり上顎を擦る動きに背筋にゾクゾクとしたものが這い、ガクンと膝から落ちそうになるが腰を支える社長の腕で逃げることが叶わない。
チーンと軽い音が鳴り、エレベーターが地下駐車場へと到着し、腰砕けの私を社長は抱えて車に運び。
呆としているうちに発進し、これは非常にマズイのではと思ったところで後の祭。
逃げ場なしの密室は、緊張を否応なしに高める。
「キミは何年僕を待たせるつもりだ? 優秀な秘書が聞いて呆れるな」
高速に入ってから、殺人光線と共に投げ掛けられた言葉に呆然。
「それがお仕置きの理由ですか……?」
理不尽にも程がある!
ずっと無視されてたものだと思ってたんですから、気付けってほうが無理でしょうに!
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