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若社長と秘書子の攻防
第2章 セカンドラウンド



「そういう意味ではございませんっ!」


  胸を押して猛獣へと変貌を遂げようとしている社長と距離を置く。


「社長のご自宅はマンションでしたよね? なぜ私をこのご実家に連れてきたんですか? それから私がここに着いてから、滞在する旨を伝えたの、さっきですよね? あの布団はいつ用意されたんです? それにあの荷物も! 私のに見えるのですが?」


  社長のペースに飲まれまいと、捲し立てるよう疑問の数々を突きつける。


  だから『僕を誰だと思ってる?』というのを目線だけで伝えるの、やめていただけません?


  嗚呼、腹立たしい!


「荷物はキミの母親が用意してくれたものだ」


「母が……?」


  なぜ? どうしてそこで母が?


「ああ。キミを数日預かりたいと言ったら、快く準備してくれたよ。荷物は家の使用人に取りに行かせてあった」


  えーっとですね。社長は私の疑問に答えてくださってますが、色々省いてません?


  私を預かるに至った経緯、どのように母に説明して了承を得たのでしょう?








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