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若社長と秘書子の攻防
第1章 ファーストラウンド
「だってさ~。挙式の日取りや新居の話もされたんでしょ? 極めつけは……」
ナオはぷぷっと笑って上目遣いで私を見る。
「性交渉6回とか! あの冷血漢な社長からの言葉とは思えないわぁ。冷血漢と鉄扉面……お似合いっちゃお似合いだけどさ。いつから付き合ってたの? 教えてくれてもいいのにっ!」
「……私が聞きたいくらいだわ」
ほぼ正確に社長とのやり取りが広がってしまってることにうんざりして、「は? どういう意味?」と首を傾げるナオを残して席を立った。
私のトレイの上には、殆ど手付かずのおかずが残っているが、食欲なんて湧くはずない。
秘書室に戻って社長から頼まれていた資料をパソコンに向かって作っていれば、昼休みが終わる5分前に先輩秘書たちが揃って入室。
先輩たちは席に座るでもなく立ち話を始める。
「ああ、やだやだ。この会社ももう終わりかしら?」
「そうね。コネ入社のコネ配属が、今度は社長夫人? どんな取り入り方したのかしら?」
「貧相な身体なんだから、テクニックが相当なんじゃない?」
……貧相なのはイヤミーズな貴女方の脳ミソだ。
まああの社長の嫌味に何年も耐えてきた私からしたら、先輩共の嫌味など蚊に刺される程度のもの。
でも。ちょっとばかし、言い過ぎですよ? 口は災いの元だと教えてあげましょうか。
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