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若社長と秘書子の攻防
第2章 セカンドラウンド




「その質問の意味すら理解不能だな」


 重たすぎるため息を吐かれ、なけなしの勇気を奮い立たせる。


「だ、だって……。私は手間隙かける価値のない女なんでしょう?」


「誰がそんなことを言った?」


「さっき社長が……!」


「価値がないだなんて一言も言ってない。時間が惜しい、と言ったんだ」


 それのどこに違いがあるんでしょうか?


 きょとんと見上げていると。


「12年も待たされたんだ。1分1秒たりとも我慢ができん。今だって早くその服を脱がせて僕のものにしたいと……まったく、なぜわからんのだ」


 社長はひどく不機嫌そうに吐き捨てる。だけどその瞳は殺人光線ではなく、熱視線を投げてきた。


 途端に顔が熱くなり、鉄扉面は熱に溶かされる。


「えーっと、じゃああの……告白は嘘や偽りでは?」


「あるわけないだろう。もういい。わからないならわからせるまでだ」


 熱視線を投げていた瞳が瞼に隠された次の瞬間には、私の唇は社長のそれで覆われていた。








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