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若社長と秘書子の攻防
第1章 ファーストラウンド
「とんでもございません。そんな命令は受けておりませんよ?」
どこの会社に社員の素行調査を命じる社長がいるというのかしら。ちったぁそのヘチマのスポンジ並のカッスカスの頭で考えやがれってんですよ。
「……ですが。社長は常に痒いところのその先を予想して、まだ痒くないところまで手が届く能力を要求されておいでです。それは先輩方も知っておいでですね? ですから社長の、延いては社の評価に繋がる社員の素行を把握しておくのは、私の業務だと認識しております」
あらあら、先輩方ってば。唇ブルッブルしすぎちゃって言葉も出ないようね。
「ああ、そうそう。安心なさってください? 先輩方の脛の傷、まだ私の貧相で抉れ気味の胸にきちんとしまってありますから」
「そこまで言って……!!」
言ってなくても脳内情報駄々漏れなんですよ。まな板に干し葡萄で悪かったわね。
でもまあ。真夏の空より青色の先輩方に免じて赦してあげましょうか。
私は資料作成を何事もなかったように続けていれば、13時丁度。内線が鳴って第2ラウンド開始を予感させた。
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