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若社長と秘書子の攻防
第3章 ラストラウンド
社長と吉崎様がお付き合いされていたというだけでも衝撃なのに、正岡さんは追い打ちをかけるよう、固まる私に聞かせるよう仕草だけ耳打ちをし、さらに大きめの声で話す。
「あの二人、まだ続いているって噂よ?」
「私もそれ聞いたことある!」
「あ、やっぱり? 社長が営業時代からお二人で部屋に篭られて、なかなか出ていらっしゃらないし」
「そうそう、何時間も二人きりでいるわよね」
「社長室もそうだけど、会議室も防音になっているし……なにしてるのかしらねぇ?」
「やっだー! 男と女が個室で何時間も……することと言ったらひとつじゃないの?」
「なに想像してるのよ、やっらしー。会社よ、ここ」
「だってだって! 社長って他の方に対応されるとき、あんなにも長時間かからないじゃない? なにかあるって思うのが普通よね」
「まーね。吉崎様への接待も、あまり同行者をお連れにならないですし。それって接待というよりデート、みたいな?」
「間違いないわ」
正岡さんと若月さんの会話はそれからも続いていたが、最後のほうは呆然とする私の耳には入ってこなかった。
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