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若社長と秘書子の攻防
第3章 ラストラウンド
悪意ある噂のほとんどが事実に基づかないなんてよくあることです。
正岡さんたちの話だって、以前よりコネ入社コネ配属と噂される私が、ついに社長の婚約者となり、苛立ちからの嫌がらせでしょう。
……でも。私にも思い当たる節があり、すべてを否定できなかった。
3年間、社長秘書として働いてきて、吉崎様との接待は幾度となくセッティングしてきました。私が記憶している範囲で、その接待に同行者がいたのはわずか4回。
私が社長のお宅で暮らし始めてからも何度か接待されていましたが、他の接待よりもお帰りが遅かった。
しかも非常にお疲れのようで、早々にご就寝されてもいて。
気にならなかったと言えば嘘になりますが、社長の仕事に口を出すのはいけないと、今まで訊ねたりはしなかった。
社長室でお二人の打ち合わせも、たしかに長時間に渡っている。
私がコーヒーを持って行った際に、親密そうになにやら話されているのを目撃してしまったことも……。
社長はそれなりに年を重ねられていますし、過去に何人かお付き合いされていた女性がいてもおかしくはありません。
過去はどうあっても変えようがないですから、そこにこだわりもしませんが……今もお二人が続いているとなると話は変わってきます。
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