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若社長と秘書子の攻防
第3章 ラストラウンド
社長と吉崎様が並んでいる姿は、誰から見ても私よりもお似合いなのは一目瞭然。
容姿だけでなく、家柄や能力だって……比べるのは馬鹿馬鹿しいけれど、私に勝るものがあるでしょうか。
吉崎様とは挨拶程度しかほとんど話したことがないけれど、美しさや家柄を鼻にかけることなく、豪胆でサバサバとしていて、好印象だ。つまり性格もとてもよろしいように見受けられる。
そんな方と過去にお付き合いされていて、なぜ私を選んだのでしょう?
考えれば考えるほど不可解で。今も秘密の関係をあの二人が続けているというならば、やむを得ない事情があり、結婚ができず、隠れ蓑に私が選ばれたと考えるのが妥当というもの。
まったく進んでいない画面をぼんやりと眺め、気持ちがどんどんと沈んでいく。
自信をなくし、不安に駆られていたところにこんなことを聞かされ、仕事に集中しろというほうが無理なもの。
私が青ざめているのを満足そうににやにやと見ている正岡さんたちに、反撃する気力すら湧かない。
私……いつからこんなに弱くなってしまったのでしょうか……。
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