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若社長と秘書子の攻防
第3章 ラストラウンド
「社長……?」
「いいから」
促され、重厚なデスクを挟んで社長の前に立つ。
「そこじゃない、ここだ」
「ここって……」
どう見ても社長の膝の上を指されていますよね? つまりそこに来い、と?
仕事中なのにと戸惑うが、中断させた私が言えるはずもなく素直に従う。
「し、失礼します」
小さく断り、社長の上にちょこんと横向きに座ってみますが……思っていたよりも恥ずかしいのですが、これは!!
叱られ、けなされ、意地悪をされることを予想していた私に、思わぬ行動を取らせる社長。何を企んでいるのか、今後の展開がまったく読み取れない。
私を閉じこめるように回された社長の腕にも、ドキドキもするが少し怖い。
「以前キミは僕に聞いたな。なぜキミを好きになったかを」
「え、あ……はい」
「キミが僕にこの場所に座る決意をさせてくれた女性だったからだ」
「この場所と言いますと?」
「覚えていないか? 昔キミは僕に聞いてきただろ。大学卒業後の進路のことを」
そんなことあっただろうかと記憶を辿り、そういえばそんなこともあったと思い出した。
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