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若社長と秘書子の攻防
第3章 ラストラウンド
「佐和。キミから僕は自由だと言われ、ようやく世界が開けた。周囲の人間や僕でさえ閉ざしていた道を佐和が切り開いてくれたんだ。とても感謝している」
「い、いえ……」
社長から叱られることはあっても、こうして感謝されるなどほぼ皆無で、照れくさくて嬉しくて、まともに社長を見られない。
もじもじし、社長をちらりと見る。
「あの、では……それがきっかけで私のことを……?」
「いや?」
「……え?」
「正直に話すと、あのとき感動はしていたが、キミは子供だった。そのような気持ちは一切抱いていない」
「え……ええっ!?」
なんたることでしょう……! たまに……いえ、初の乙女モードスイッチが入っていた私を突き落す無慈悲な社長。これぞ鬼畜社長ですが、私の乙女心を弄びやりやがりましたね!?
返せ、私の乙女モードタイムを!! 今すぐのしつけて返してください!!
社長直伝の殺人光線を至近距離で送っていると、肩を軽く跳ねさせ、社長は苦笑い。
「まぁ聞きなさい」
宥められてもギラギラと無言で睨んでやりますからね。
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