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俺もう鈍感のフリ辞めるわ
第10章 転校生は御嬢様!?
なんか歩いているだけで凄まじい気品を感じる。
ちょっと男子ー!!じろじろ見すぎー!!沙織里ちゃん困ってるじゃーん!!
高貴な沙織里は好奇の眼差しに少し緊張している様子だが、その優雅な歩き方を乱さず、椅子を静かに引くと姿勢良く腰掛けた。
「宜しくね。俺川端隼人」
ふふっ、クラスの男子ども...ファーストコンタクトは頂いた。
俺が笑顔(外面仕様)で爽やかに言うと、沙織里は穏やかな笑みで会釈を返す。
「大河内沙織里です。宜しくお願いします」
おお...さっき名乗ったばかりなのに...
他人に名乗られたら丁寧に名乗り返すのか...真面目だなぁ、俺と同じタイプか。
「皆前向けー。ホームルーム再開するぞー」
女との時間を邪魔されない俺でもさすがに教師の職務を妨害する事まではできず、退屈なホームルームが再開された。
ホームルームが終わると一気に沙織里の好感度を上げたいのだが、そこは冷静な俺である。
俺はこの後の展開を予想しておいて机に突っ伏して狸寝入りをするのだった。