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俺もう鈍感のフリ辞めるわ
第10章 転校生は御嬢様!?
それからは地道に親密度を上げていった。
休み時間になる度に言葉を交わしている内に沙織里の緊張は徐々に解けていったようだが、俺以外のクラスメートとはなかなか打ち解ける事ができないようだ。
別に沙織里が絡みにくい人間というわけではなく、単純に庶民のノリが合わないのと、警戒...というか人に怯えている節が伺える。
「では隼人さん...今日はありがとうございました」
「おう、また明日なー」
こっちが畏まる程の丁寧な御辞儀も、周りが寄り付けない原因かもしれない。
まあ優雅な振る舞いも俺達庶民への嫌味に見えるヤツもいるかもしれないが、単に人生で身に付いた癖みたいな物なんだろうな。
本物の御嬢様か...
俺は荷物をまとめて帰路に着いた。
あっ、皆気付いているだろうけど、あんまり仲良くなれてないし他の女にも捕まってないから、もう少し何か待ち構えてるよ?
気にしない気にしない...そんな人生なんですもの。
例によって俺は、帰宅の途中でキョロキョロと周囲を見渡す沙織里の姿を発見した。
二十分程前に別れた沙織里の元に歩み寄る。
そんな人生なんですもの。