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俺もう鈍感のフリ辞めるわ
第10章 転校生は御嬢様!?

「沙織里、どうかしたのか?」
「わっ!!隼人さん!?すみません。はしたない振る舞いを...」

えー...そんなにビックリされたら僕ちょっとショック...でも驚いた顔が可愛かったから許す。
少し大袈裟な御辞儀で乱れた髪を直す姿も艶かしいな...

「いや、俺こそ驚かせちゃったな。こんな所で何してるの?」
「お恥ずかしながら...少し道に迷ってしまいまして」
「ああ、沙織里はこの街に来たばかりだからな。どこに行きたいの?」
「あの...この場所に迎えの車を呼ぶ手筈だったのですが...」

沙織里は持っていたメモを見せた。

「この場所なら逆方向だな。案内してやるよ」

いつ女の家に呼ばれても良いように、俺はだいたいの住所を理解しているのだ。
すると沙織里は慌てたようにかぶりを振った。

「でも...それでは隼人さんの御自宅からも逆方向ではないんですか?」

まあ、俺が歩いて来た方向からそう解釈して当然か、芽衣や薫みたいなお馬鹿ではないんだな。

「どうせ今日は何も予定無いし、それに放っておく気になれないから気にしないでくれよ」
「そう...ですか...では、お願いします」

沙織里は申し訳なさそうに御辞儀をした。
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