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俺もう鈍感のフリ辞めるわ
第10章 転校生は御嬢様!?
あまり離れていない目的に歩き出すと、沙織里はポツリと言った。
「隼人さんって優しい人なんですね。今日はこんなにも親切にして頂いて」
「これくらいどうって事ないって、俺散歩好き出し」
まあ普通に嘘だ。俺には散歩なんて趣味は無い。
趣味は女の攻略ですっ。
「いえ、これ程同級生に親切にして頂いたの初めてですよ...」
そう言った沙織里は少し俯いて声のトーンを落とした。
なんかちょっとシリアス...
「なんかあったのか?いや...言いたくないなら言わなくて良いけどさ」
「...不思議です。隼人さんになら、少しだけ...」
俺ならって...今日知り合ったばっかじゃん...自分のモテ体質が怖い...
当然ここで急かしたりしない、良い男は黙って待つべし。
「私...前の学校...いえ、ずっと前から同級生のお友達ができなくて」
それは二人の足音にかき消されてしまいそうな程、小さな声だった。