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俺もう鈍感のフリ辞めるわ
第10章 転校生は御嬢様!?

沙織里は一瞬だけ俺を見たが、直ぐに俯いて話を続けた。
「なんだか私って...近寄り難いような人間みたいです。避けられるというか、距離を空けられるというか...」
なるほど...沙織里が良いとこの御嬢様だという事は俺でも一目でわかる程だ。ってまだ御嬢様って確定じゃないんだが...
とにかく、沙織里自身に俺達庶民を見下すような感じは全く無いのだが、周囲から見れば敬遠してしまう人種かもしれない。
というよりも、沙織里はちょっと砕けてみれば簡単に友達ができそうなくらい普通に良い人なので、そんな理由...つまり、沙織里本人に無関係のところが原因でそうなっているという予想しかできない。
でも御嬢様学校にいたのにそれって...想像以上に沙織里は金持ちの娘なのか?
「それってさ、沙織里のその...なんていうか、家柄とかが関係してるのか?」
「そう...かもしれません」
沙織里の声の音量がまた下がる。
俺にも敬遠されているのか不安なんだろう。
「なーんだ、じゃあ沙織里は何も気にしなくて良いじゃん」
はい。ここで朗らかな笑顔を見せるのがポイントだよー。

