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俺もう鈍感のフリ辞めるわ
第10章 転校生は御嬢様!?

「え...?」
沙織里はポカンとした顔を上げた。
「家柄とか気にしないで良いって事だよ。少なくとも俺は、沙織里が大統領の娘でも別に遠慮とかしないし。沙織里は沙織里だろ?」
さりげない俺アピールも忘れない。
「ですが...隼人さんがまだ私を知らないだけかもしれませんし...」
「今日1日で少しは知れたよ。礼儀正しい事とか、穏やかで親しみ易いところとか」
「私が...親しみ易いですか?」
「ん?俺はそう感じたけど」
なんだろう...天然とは違う...世間知らずか。
こんな月並みな御世辞にみるみる励まされてるよ...
「ありがとうございます。あの...隼人さんさえ良ければ、おっ...お友達になってくださいますか?」
沙織里は震えていた。相当な勇気を振り絞っているのだろう。
こんな素直で良い子に友達がいなかったなんて...むしろ周囲が悪いんだろうな。
俺の答えは決まっている。
「何言ってんだよ?俺達もう友達じゃん」
一度言ってみたかったんだよね。この台詞。

