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俺もう鈍感のフリ辞めるわ
第7章 幸運を運ぶ少女!?

姉は杏子を抱いたまま不思議な走り方で俺の元へ向かう。

「あのっ、本当にありがとうございますっ。妹は何度も迷子になっちゃってて...」
「....いや...俺こそ...何かごめん...」
「ほへぇ?なんで先輩が謝るんですか?」
「あっ...こっちの話だから気にしないで」

ほへぇ?は辞めろ!!イラッとくる!!!
なんというか...俺のフラグ力は因果すらねじ曲げる程強力で、たぶん杏子は俺と姉を会わせる為に不可視の力に引っ張られて迷子になってたと思う。
ホントだって...杏子絶対もう迷子にならないから!!

「あの...先輩私の事覚えてないですか?」
「えっ!?あの...えっと...」

ちょっと待って!!!10秒ください!!!こんな強烈なキャラを忘れるはず無いんだがなぁ...
うーん...山...山田....山内...山本...山...西?

「一年の渡崎 薫(ワタリザキ カオル)ですけど...漫研の...」
「あー...渡崎さん。ん?漫研...?」

全然違った...でも漫研に接点は絶対無いぞ。しかし漫研はピッタリな印象だよな。
俺の動揺を見破ったらしい薫は少し背中を屈めて両手を力無くブラブラさせるいかにも「しょぼーん」とした仕草で涙目になる。

「覚えて無いんですね...」
「...んー...ごめん。いつ会ったっけ?」

もう開き直って体を反らせながら左足を引いて「ギクッ!!?」を表現してから素直に聞いてみる。
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