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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第3章 《巻の弐―運命の悪戯―》
 このいでたちを見ただけでも、泉水がただの奥女中ではないことは判りそうなものなのに、男はどこか不遜さを漂わせる口調で言いながら近づいてこようとする。
 泉水は無意識の中に後ずさった。
 今日の男は何故か、これまで泉水が知るあの男とは別人のように見える。それが何故なのか、はきとした理由は判らなかったけれど、その視線にはどこか不躾なものが含まれているような気がした。
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