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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第23章 《巻の壱―夢―》
「何を水臭いことを申しておるのだ。夢ならば、仕方ないではないか。夢を見て、うなされるのにまで一々文句を申されておっては、その方の身が持たぬぞ」
 泰雅はそこで口をつぐみ、ふっと笑った。何かを思い出したかのような表情だ。
「それにな」
 と、言いかけて、意味ありげな顔で泉水を見つめる。
「いや、やはり止めておこう。幾ら、お転婆姫とはいえ、年頃の娘が言われて嬉しい話ではないからな」
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