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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第24章 《巻の弐―夢を売る男―》
 奥から出てきた老婆に桜餅と桜団子を注文する。ほどなく老婆が黒い丸盆に湯飲みを二つ、小さな皿に団子と桜餅を載せて運んできた。
「どうぞ、召し上がれ」
 勧めても、おつやは手を付けようとしない。泉水は自分から先に桜餅を一つ取り上げ、ひと口頬張った。
「ここの桜餅は美味しいのよ。食べてごらんなさい」
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