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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第35章 《巻の弐―再会―》
そのときには、幾ら願っても、夜毎褥を共にしても、子どもは授からなかった。幾ら抱かれても子宝を授からない―、そのことが泉水が次第に良人と床を共にすることを厭うようになっていった一因だともいえる。子も授からぬままに、夜毎繰り返される営みを空しいものだと、疎ましいものだと思い始めたのだ。
心から愛し合い、求め合っていたときには、幾ら望んでも授からなかったのに、ひと月ぶりにたった一度、あんな形で犯されだけで身ごもった。何という皮肉だろう。
心から愛し合い、求め合っていたときには、幾ら望んでも授からなかったのに、ひと月ぶりにたった一度、あんな形で犯されだけで身ごもった。何という皮肉だろう。