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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第4章 《参の巻―囚われた蝶―》
「許婚者―、最初にこの縁組みが来た時、泉水には確か昔、許婚者がいたと聞いた」
泉水は首肯した。
「はい、私が八歳のときに父が定めた許婚者でした。でも、祐次郎さまは十四でお亡くなりになられたのです。ご病気でした。それ以来、私は縁組みした殿御を取り殺してしまう星の下に生まれたと云われてきたのです。それゆえ、祐次郎さまがお亡くなりあそばされた後、縁談もふっつりと来なくなりました」
語り終えると、泰雅は泉水に問うた。
「惚れていたのか?」
泉水は首肯した。
「はい、私が八歳のときに父が定めた許婚者でした。でも、祐次郎さまは十四でお亡くなりになられたのです。ご病気でした。それ以来、私は縁組みした殿御を取り殺してしまう星の下に生まれたと云われてきたのです。それゆえ、祐次郎さまがお亡くなりあそばされた後、縁談もふっつりと来なくなりました」
語り終えると、泰雅は泉水に問うた。
「惚れていたのか?」