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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第4章 《参の巻―囚われた蝶―》
泰雅の声に、ふと現に戻る。
物問いたげなまなざしにぶつかり、泉水は微笑んだ。
「私は祐次郎さまを今でも大切な方だと思うております。さりながら、祐次郎さまに対するこの気持ちは、殿に対するものとは全く違いまする。殿とお逢いして、私は恋というものがいかなるものか知りましたゆえ」
最後の科白を口にするのは、かなり勇気が要った。泉水の白い頬がうっすらと染まる。
「泉水―」
泰雅の整った顔に愕きがひろがった。