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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第6章 《巻の壱》
 その初めて体験した感覚は、しばらくも泉水の中に残り、泉水はふわふわとまるで水中を漂うような快さと頼りなさを同時に味わっていた。小刻みに身を震わせる泉水を泰雅が背後から愛しげに抱きしめた。
「泉水、どうした?」
 泰雅は泉水の身体をそっと壊れ物を扱うような仕草で仰向けにすると、その貌を覗き込む。
「泰雅さま」
 泉水はやっと良人の名を呼んだ。
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