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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第41章 《巻の四―岐路(みち)―》
光照は毅然として言い放つ。だが、泉水は何と応えて良いかさえ判らないでいた。
まさか、泰雅がここまで横暴な態度に出るとは流石に思いもしなかった。様々な想いが泉水の中でせめぎ合った。
泰雅の許には二度と戻りたくない。もう、あんな辛く哀しい想いはしたくない。それが、泉水の本音だ。夜が来る度に、死んでしまいたいと思うほどの屈辱に耐えねばならない。あんな生活に戻るくらいなら、本当に生命を絶ってしまった方がマシだ。