この作品は18歳未満閲覧禁止です
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第41章 《巻の四―岐路(みち)―》
人の生は枝分かれしては先へ続き、また更に枝分かれしては続いてゆく。人はその都度、悩み考え、己れの進むべき道を選び進んでゆく。時橋は泉水に言いたかったに違いない。
たとえ、どのような道であろうと、泉水自らが選んだ道ならば、その道を迷わず躊躇わず進むようにと訴えたかったのではないか。
泉水の心は今、愕くほど澄み渡っていた。
このように落ち着いた心持ちになれたのは、実に久しぶりのような気がする。