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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第41章 《巻の四―岐路(みち)―》
泉水の迷いのない晴れやかな表情を見、光照は感に堪えたように言った。
「確かに、蓮照の申すように、そなたは強くなったのやもしれませんね。私は何か間違うていたように思います。逆境は人を不幸に陥れるものではなく、人を強くするもの、もしくは人を作るものだと、初めて知り得ました」
その言葉が、泉水にとって師からの何よりの餞となった。我が身がここで過ごした五年間は確かに無駄ではなかった―、心の底からそう思えた。