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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第43章 《巻の壱―花惑い―》
「要らぬ! そのような俗世の女子のもの、たとえ串刺しにされたとて、二度と身に纏う気はない」
烈しい口調で言い返す泉水に、河嶋は穏やかに微笑みかけた。
「奥方さまがお望みであれば、明日にでも呉服商を呼び寄せ、何なりとお好みの布で新しい打掛を仕立てさせまする。殿よりもそのように計らえと申しつかっておりますれば」
「要らぬ、そのようなものは断じて要らぬ! 河嶋、そなたにも心あらば、どうか、このままの姿で過ごさせてたも」
烈しい口調で言い返す泉水に、河嶋は穏やかに微笑みかけた。
「奥方さまがお望みであれば、明日にでも呉服商を呼び寄せ、何なりとお好みの布で新しい打掛を仕立てさせまする。殿よりもそのように計らえと申しつかっておりますれば」
「要らぬ、そのようなものは断じて要らぬ! 河嶋、そなたにも心あらば、どうか、このままの姿で過ごさせてたも」