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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第49章 《巻の弐―哀しみの果て―》
 その時。パサリと音がして、足許に何か落ちた。その音で我に返り、腰を屈めて落ちた物を拾おうとする。
 泉水は息を呑んだ。泉水の足許に、月光に照らされた小さな守袋が落ちている。
「兵庫之助さま―」
 守袋を拾い上げた泉水は、宝物のようにそっと胸に抱いた。浅葱色の地に桔梗が描き出された小さな守袋は、泉水が兵庫之助に贈ったものだ。
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