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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第57章 《壱》
 維助は居職の飾り職だ。この裏店に引っ越してきたのは、一年と少し前のことになる。元々、維助の両親は日本橋で小さな煙草屋を営んでいた。二人共に一人息子の維助に家業を継いで欲しいと願っていたのだが、維助はついにその希望には添えなかった。幼い頃から飾り職に憧れていた維助は両親によくよく自分の気持ちを話した上で、十で親方の許に弟子入りした。
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