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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第57章 《壱》
 維助は十から十八になるまでの実に八年間、この少々変わった親方の許で過ごしたのである。維助が弟子入りした時分、達蔵は既に老齢と呼んで差しつかえない齢であった。今となっては、あのときの達蔵が何歳であったのかは定かではないが、大方は五十は越えていたのではないか。
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